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俺は部屋から転がるように飛び出した。夏氷を部屋に置き去りにし、階段を勢いよく駆け下りていく。
…なんだこれは……何がどうなっているんだ……。
妊娠?夏氷が?俺が相手?装備品ナシで?ヤっちゃったの?いつ?どこで?
(…………記憶にないんだが!?)
階段を下りきり、ノンストップで玄関へと駆け出した、その時だ。
「キャア!!」
女性らしい悲鳴を上げて、危うくぶつかりそうになった相手に顔を向ける。
長い黒髪をポニーテールにした絶世の美女+巨乳の我が姉、秋風 美月(あきかぜみづき)がそこに立っていた。
「もぉ、危ないじゃない陽ちゃん!」
「わ、悪い姉ちゃん……」
「うっかり転けたりしたら大変でしょ!?もうあたしだけの体じゃないんだから!」
「す、すまん……………………………………………………………………………………………………………………、は?」
「あっ、そういえばまだ言ってなかったね……………あたし、妊娠しちゃった♪」
「……………」
「あたし、今すごく幸せなの。ずっと陽ちゃんに抱かれたいって夢が叶っただけじゃなく、陽ちゃんとあたしの子供まで授かるなんて思ってもみなかった……ヤダ、思い出しただけで涙が…」
目に本物の涙を浮かべる姉ちゃんを見る俺は今まさに、茫然自失状態である。
「姉弟では結婚は出来ないけど、あたし、この子を一生懸命育てるから。これからもあたしを…ううん、あたしたちをいっぱい愛してね、陽ちゃん♪」
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