冬火ちゃんの猛進撃

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通知を開いて中身を読む前に誰からなのかをまず確認する。 『冬火』 「ぎぇっ」 恐れていた人物からのメッセージだった。 メッセージの内容は大体予測がつくが見てみないことにはわからない。そうだ、休みの日でも学校の授業や宿題についての質問かもしれないし、中身を読んでみれば案外大したことじゃないかもしれないもんな。 <(今日暇だったらどこか行かない?) 「………」 ええ~………。 ―――――― 「せ、攻めるって決めたんだもん…もう赤頭と約束してるかもしれないけど、これくらい朝早くなら赤頭も寝てるだろうし、一か八かよ…!」 スマホを両手で握ってぶつぶつ呟く冬火。どんな風に誘うかはもう十分悩んだ、あくまでシンプルに、あざとさとかは不要、ただ一緒に遊びに行こうと誘うだけでいいんだから変に取り繕う必要はないと言い聞かせ、あとはボタン一つ押すだけでメッセージを送信出来る状態にまで来ていた。 しかしやはり緊張してしまう。世間話から誘う方がいいかと揺れてしまうせいでなかなか押せない。そんな感じでボタンを押せば送信出来る現状で三〇分は経過していた。 「冬火、どうかしたのか?」 「な、何が?」 「何がって、さっきからずっと一人言言いながらスマホ見つめて固まってるじゃないか」
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