冬火ちゃんの猛進撃

11/56
1843人が本棚に入れています
本棚に追加
/469ページ
「ぬぐぐッ…!!こ、こいつ、ここまで手の込んだ策を…!」 「さあさあどうするの!?この私の誘いを断るなら断ってみなさい!」 嘘をついた罪悪感が陽太を誘導する。狡猾な策によって生み出された勝機を見た冬火はニタリと不敵に笑う。 あとは陽太が返信するだけ、それで全てに決着がつく。 <(ちょっとだけなら別にいいぞ) 完 全 勝 利 ! この勝負は冬火に軍配が上がった。 「やったー!これで陽太とデート行けるー!」 スマホを持った手を振り回して歓喜の舞いを踊る冬火。 「ぐぞぉおおお!!行きたくねぇえええ!!」 布団の中に篭って悶える陽太。 先手先手の攻めが勝敗を決めた。時間と場所を指定した冬火は小躍りしながら陽太とのデートに向けて準備を始める。 「シャワー浴びてぇ、お洒落な服着てぇ、あとメイクもちょっとだけしてこうかしらね~!」 時間までまだ少しある。陽太は布団の中で身をよじりながら懸命に思考を働かせる。 「冬火と二人きりだけはなんとしてでも避けないとヤバい!こ、こうなったらやりたくないけど誰かを巻き込むしか…!」 だがここでも陽太に運が無かった。向日葵、優理はそれぞれ予定があり、雛瑪と乙夢はクラスメイトと一緒に出かけるらしい。美月には仕事しろと言った手前誘うなんて無理だ。 「ぐっ、なんでこんな時に!ヤバいヤバいヤバい、だ、誰か、誰かいないか…!!」
/469ページ

最初のコメントを投稿しよう!