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絶対に陽太を振り向かせる。そのためには全力で挑む、恋人がいるとは言えど陽太だって意識しているはずなんだ、その隙を突ければ崩すことも不可能ではないはず。
メモを睨み付けて復習する冬火。そんな彼女の耳に、
「おー、早いな冬火」
「っ!」
パァッと表情を明るくして声がした方へ顔を向け―――冬火は一瞬にして表情を険しくした。
それは何故か。
「よし、んじゃー遊びに行きますかぁ」
「………ちょっと陽太、どういうことよ」
「何が?」
「何がって………その女はどこの誰なのよ!?」
来たのは陽太だけではない。ド派手な金髪をカールさせたどこからどう見てもお嬢様な女が、何食わぬ顔で陽太の隣に立っていたからだ。
「ああ、前に未愛の占いの時に会っただろ?こいつは…」
「ねえ太陽、私を呼び出した理由はわかるけど、他の女がいるなんて聞いてないわよ?」
そのお嬢様も冬火を見て不満げな顔をしていた。恐らく彼女も冬火と同じ考えをしていたのだろう。
「あー、そういや言い忘れてたな。まぁいいじゃん!人数は多い方が楽しいしな!」
金城・ゴールデリス・凛子。金髪カールの本物のお嬢様と冬火から睨まれていても陽太は満面の笑みだった。
「それに……『二人きりで』なんて俺は一言も言ってないしなァ?」
「「ぐッ…!」」
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