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「さらに言えばお前らからも『二人きり』なんて話も出てないしな」
「「うぐッ!」」
「ではでは遊ぶとしましょうかお嬢さん方~」
言われてみれば確かに誰一人として『二人きりで』なんて口にしていない。しかしそれでも納得いかないのが恋する乙女の心情であり、冬火は歯を食い縛りながら先を歩く陽太に着いていった。
(太陽からの誘いってことだからわざわざ出てきたのに、まさか他の女がいるなんて……いや、そんなの関係無いわ!初めての太陽からの誘いだし、こんな風に出かける機会滅多に無いんだし、優理には悪いけどこのチャンスで太陽と仲よくなってやるわ!)
凛子も凛子で思惑があった。
だから絶対に譲らない。邪魔者なんて関係無い、なんせ凛子には陽太を誘惑する最強の"武器"が備わっているのだから。
―――こうして、一人の男を巡る乙女たちによる仁義なき戦いが幕を開けた。
――――――
彼女がいるのに他の女子と遊ぶってのはよくないことだ。それくらい俺だってよくわかっている。だから申し訳ないが二人きりという状況を変えるためにはこうするしかなかったんだ。
冬火と凛子は二人きりと思ってたみたいだが俺には夏氷がいる。夏氷にもし見つかったら絶対浮気だって騒いで泣き叫ぶだろうし、三人でならそれも回避出来るだろう。
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