冬火ちゃんの猛進撃

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「けど、まさかホントに凛子が来てくれるとは思わなかったな」 「漫画貸してくれるって言うからよ。偶然私も暇だったわけだし?漫画の続きも気になってたからちょうどよかったわ」 「二冊だけでよかったのか?」 「とにかく主人公が見たいのよ。あのあとどうなったのか気になって仕方なかったんだから」 「四巻の終わり方は確かに気になるわなぁ。ゆっくりでいいからな、読み終わったら次の二冊貸してやる」 「来週!来週の土曜日なら空いてるからその時貸してよ!それまでじっくり何周もして読み込んでおくから!」 「来週だな?よしわかった」 一流企業のお嬢様でも漫画はちゃんと楽しめるもんなんだな。やっぱり漫画ってスゲーわ。まぁもう完結してるし全部揃ってるし、俺も何周もしてるから別に一週間くらいなら貸しても大丈夫だ。 (…この女、さりげなく来週の約束しやがったわ……ていうかえらく簡単に約束したわね、私とのデートは嘘ついてまで行かない気だったくせに…ッ!) 「っ?……ど、どうかしたか?冬火」 「別になんでもないわよ。それよりあんた、私に言うことないの?」 「なんだ?」 「なんだって……服を褒めたりあるでしょうが」 「あ、ああ……やけに気合い入った服装だな、お前がミニスカートなんて珍しいじゃんかよ。いつもズボンなのに」
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