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バチィ!!とそんな音が一瞬すごい近くで聞こえた気がして肩を震わせてしまった。
気づけば冬火と凛子が俺を挟んで睨み合っている。な、なんだ?さっきのはこいつらの視線で発生した火花か?まだまともにお互いのこと知らないのに睨み合ってるって…なんかあったのか?もしかしてこいつら馬が合わないのか?
(なるほどね…この金髪も陽太狙いってことらしいわ。全く、どれだけモテれば気が済むのかしらこの男は)
(この絵具頭、もしかして太陽のこと好きなのかしら?フフッ、身の程を弁えなさい、太陽はあんたみたいな平凡な庶民には相応しくないのよ)
(緑先輩の友達だから接点はあるんでしょうけどおあいにく様、陽太はあんたみたいなお高く止まった高飛車女は苦手なのよ)
(私くらいの上級な女こそ太陽に相応しいのに、哀れねぇ。夢見がちな年頃って残酷なんだから)
「「………」」
「お、おいおい、何睨み合ってんだよ。今から一緒に遊ぶんだし仲よくしようぜ?」
「歩き過ぎて疲れちゃったわ~、陽太、悪いけど足のマッサージしてくれる?」
「太陽、私人混みに慣れてないの。私の手、しっかり握っててもらえるかしら?」
「任せ………ッ!…いやっ…お、お前ら何言ってんだ…?まだそんなに歩いてないし人も多くないし、じじじ冗談はその辺にしとけよ~…?」
((揺れてるわね……絶対この女には陽太(太陽)は渡さないわよッ…!!))
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