冬火ちゃんの猛進撃

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―――そんなわけでやって来ましたボウリング。一レーンを借りてシューズを履き替え、数年ぶりのボーリングにワクワクしながら、 「さーて、順番なら俺からだな。投げる球選びに行こうぜ」 「そうね」 この球選びもなかなかに難しい。慣れた人なら決まった重さのを選ぶんだろうが俺たちは初心者に近い。とりあえず持ちやすい重さを選んでいく。 「よっし!やりますかぁ!」 「あんたノーコンだから不向きじゃない?」 「バカにすんな、ボウリングは投げるんじゃなく転がすんだからノーコンは関係ない。見てろ!」 振りかぶり、右腕を振るって球を転がす。自分でも驚くくらい真っ直ぐレーンの真ん中を転がっていった球はピンにぶつかり、全部で十ある内の八個を倒した。 「おっしい!」 「意外とやるわね」 「全部倒せばいいの?」 「そうだな、簡単に言えば二回投げてより多く倒してポイントを稼ぐんだ。全部倒せばストライク、二回で全部ならスペアっつってポイントの加算も変わってくるけどその辺の計算はわかんねえからひたすら倒せばいい」 「なーんだ、簡単ね」 「よーし、じゃあ二投目行くぜ!ほいっ!」 残った二本の内一本だけ当たった。残念、スペアにはならなかったか。 「次は私ね」 「ガターが見たいな」 「ふん、悪いけど私ボウリングにハマってた時があるから。中学の時によく一人で来てたのよ」 「悲しいカミングアウト…」
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