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ま、まぁ人にはいろいろあるんだし、まずは冬火の腕前を見てみようじゃないか。
咳払い一つしてから座り直して冬火を見る。冬火は落ち着いた様子で胸の前にボールを構え、滑らかな動きで投球フォームに入っ―――ッッ!!?
(ぱぱぱッパンツ見えてますよぉお!!?)
「ふっ!」
ボールはど真ん中を走り、最前列のピンにぶつかってピンの群れを掻き分けていき……全部倒した。見事なストライクであった。
「ふふーん、どう?すごいでしょ私の実力」
「…す、すごいけど……」
「何よ?」
ハイタッチを要求してくる冬火に弱々しく手を合わせてから、俺は恐る恐ると口を開く。
けど俺より先に凛子が、
「あんた、下着丸見えだったわよ」
「…………、はっっ!?みみみ、見たの!?ていうか見えたの!?」
「…う、うんん…」
「そんなミニスカート穿いてたら見えちゃうわよ」
「ちょっと陽太!早く言いなさいよそういうことは!!」
「わかるかよそんなの!投げて気づくお前も悪いだろうが!」
「ううっ……短パン穿いてくる…」
持ってるなら最初から穿いてこいよ…と鞄を持ってトイレに向かう冬火を気まずく見送ることしか出来なかった俺はため息をつく。
(し、失敗しちゃった…!けど陽太、顔赤くしてたわね…いつもなら気持ち悪いくらい反応するのに………ひょっとして、今日の私意識されてたり!?)
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