冬火ちゃんの猛進撃

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俺も真っ赤だが冬火も真っ赤。赤面しながらレーンに立ちボールを持ち上げる冬火の後ろ姿を見ながら手で顔を扇ぎ少しでも熱を冷まそうと試みる。 「太陽、あの青い庶民に何を言われたの?」 「とんでもねえ呼び方だな…あいつは冬火って名前だから冬火って呼んでやってくれよ」 「私は私が認めた人間の名前しか口にしない主義なのよ」 「お嬢様の主義は理解出来んなぁ。……ん?つーことは俺も認められてねえってことじゃんかよ」 「太陽は仕返しの意味も込めて呼んでるのよ。散々私をドリルドリルって呼んでたし、当分は呼んであげないわ」 「そのうち忘れられそうだな…」 「忘れるわけないでしょう?私が唯一認めた男の名前を」 「お…おほぉ…」 「そうねぇ、私がちゃんと名前を呼ぶ時は……あなたが私の物になった時、かしら?」 「はあ!?」 「あら、赤くなった。太陽はすぐ赤くなるのね、可愛いじゃない」 顔をつついてくる凛子。いたずらっ子みたいな笑みで体を寄せてくる凛子から遠ざかろうとするも椅子の範囲は限られているわけで叶わず。 「フフ、そういうところも気に入ってるの。私に気に入られたことを光栄に思いなさい太陽」 「上から目線がすぎる…」 「対等になる条件、知りたい?」 「怖いから知りたくないっす」
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