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死のう。
もう、死ぬしかない。
一体何をやっているんだ俺は。誰かれ構わず手を出して、こんなのホントのクズじゃないか…。
みんな、ごめんな。こんな俺じゃみんなを幸せには出来ないよ。みんなも、お腹の子たちも悲しむだろうけど、俺にはみんなのそばにいる資格なんてないんだ…。
トボトボと死に場所を探す。誰にも見つからない場所がいいな、こんなゴミ野郎の死に場所に相応しい場所はないのかな…。
「こんにちは、陽太さま」
「……………………雛瑪ちゃん」
メイド服を着た、肩甲骨くらいまであるオレンジの髪のキューティクル少女、亜井 雛瑪(あいひなめ)ちゃん…。
この天使ちゃんの姿を見るのもこれで最後か…最後に一度だけあの頬っぺたを……いや、俺なんかが触っていいものじゃない。雛瑪ちゃんが穢れてしまう。
「…ごめん雛瑪ちゃん、俺、行くとこあるから」
「あっ、陽太さま!」
雛瑪ちゃんに呼び止められ、ゆっくりとした動きで振り返る。せめて、見るだけでもと思って雛瑪ちゃんの愛らしい姿に目を向ける。
雛瑪ちゃんは頬を赤らめ、慈愛に満ちた目で下を――両手で優しく撫でているお腹を見つめて、微笑みながら。
「聞いてください陽太さま、双子ですって」
「……………………………………………………………………………………………………………………………………、まさかの、ダブル…」
「家族が一気に増えますね、陽太さま。これから二人で、いっぱいこの子たちを愛してあげましょうね?」
「…………………。
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
「ハッ!!ゆ、夢かっ…!」
そんな訳で、今日から二年生です。
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