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春休みもとうとう終わってしまい、今日から再び学校へ通う事になった訳だが、春休みが終わったという事は夏休みや冬休みが終わった時とは大いに違う。
春休みが終わった。つまりは学年が変わったという事で、もちろん俺も学年が変わった。
そう、もう一年生ではない。今日からは二年生になるのだ。
緊張はあるよ。新しい環境になるんだから当然緊張くらいしてるよ。
……でも、それ以上に気分が重いんだよ…。
原因はもちろん、"あの夢"だ。
(……これからはもっと自分の行動を考えよう)
密かにそう心の中で決意をする俺は、あの夢の疲れで半開き状態の目を右側へと向ける。
「………もう腕組む事はいいとして、あんまり密着しないでくれないか?歩きにくいし腕が痛い」
ムギュ~ッ、と俺の右腕に抱き付いて体をピッタリと張り付けてくるマイハニー、夏氷ちゃんの表情は極めて暗く、不安でいっぱいのように見える。
いや、実際不安でいっぱいなのだけどね…。
「進級は出来たんだから、別に同じクラスにならなくても問題ないだろ?そりゃあ俺だって同じがいいけどさ」
「……陽太と同じクラスじゃないと嫌だ…どうしようホントに別々のクラスになったりしたらっ………う、うぅ~~…」
「な、泣くな泣くな。ブレザーが汚れるだろ」
「そんなのどうだっていいだろーが!私はホントに、ホンットに怖いんだぞ!?もし別々だったらって考えるとさぁ!昨日なんか不安で不安で一睡も出来なかったんだから!」
「あぁ…それの電話だったんだな、あの大量の着信は…」
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