第1話 再会

32/36
192人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
「そーなんだ、俺はてっきり莉緒ちゃんが駿河に興味があるんだと思ってさー。だから駿河も誘ってきたのに」 昼休みの時の、レオの“期待を裏切らない”という言葉の意味が分かった気がする。 レオは私のために駿河を呼んでくれたようだ。……余計なことをしやがって。 「いや、たまたまだよー」 「ほんとかなぁ」 レオの詮索を適当にはぐらかし、なんとかその場をやり過ごした。 そして、また近くの席の人と雑談しているうちに夕方になり、解散することになった。 「じゃあ、みんなまた明日ねー」 それぞれ、自転車や徒歩、電車を使って帰路につく。 私と同じ電車に乗るのは、美鈴となぜか駿河綾人の三人だった。 駿河は、私たち二人と距離を置いて電車を待っている。 気まずいのは気のせいだろうか。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!