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学校の近くにあるコンビニで、わたしたちはアイスを食べていた。
由紀ちゃんはお目当てのバニラアイスが食べれて幸せそうで、わたしはチョコアイスを食べてご満悦だった。
佐藤くんは、ソーダ味のアイスを食べてこれまた幸せそうで
そんな彼の姿をみるだけで、わたしの顔は真っ赤に染まっていた。
「いや、やっぱり疲れた時はアイスだね~ 」
「今日、部活ねーだろうが」
「佐藤、叩かれたいかい?」
「遠慮しとく」
なんだか、由紀ちゃんと佐藤くんの漫才みたいな会話に、わたしは楽しさを覚えて、傍観者だけど不思議とさっきみたいな羨ましさはなかった。
「美夏、チョコ美味しい?」
「美味しいよ。食べる?」
「一口おくれ」
言って、由紀ちゃんがわたしの手元からチョコアイスをかぷりと一口食べる。
「美夏もたべる? バニラ」
「ううん、大丈夫。ありがとう」
ふと佐藤くんの視線を感じ、顔を向けると思わず目があった。
え?
急に頬に熱が上がってくる。
「なに、佐藤もチョコアイス食べたかったの?」
「ち、違う」
由紀ちゃんが佐藤くんをからかって、
佐藤くんがプイッと横を向きながら
ソーダアイスを食べる。
なんだったんだろう?
鈍感なわたしがわかるはずもなく、由紀ちゃんだけが最後までご機嫌だった。
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