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「ダブル佐藤、ちょっと手伝えや」
世界史の先生のご指名で、佐藤くんと世界地図の張り替えを行う。
もうわたしはドキドキしぱっなしで、顔はトマトのごとく真っ赤に違いない。
世界史の先生の部屋に二人きっり、ドキドキしない方がおかしい。
「あ、佐藤くんもう少し右」
「ん」
壁に張り替える世界地図は思ったほど大きくて、ひとりじゃ無理。
わたしが指示をだしながら佐藤くんが背の高いのを幸いして、器用に貼ってゆく。
「こんなもん?」
「うん。大丈夫かな」
張り替えが終わった頃、先生がきてお疲れとオレンジジュースを二本置いてゆく。
「助かったわ、ダブル佐藤。これ礼な」
佐藤くんは素直に「ありがとうございます」と言ってジュースを二本とり、一本をわたしに向かって渡してくれた。
「ほれ、佐藤も」
「あ、ありがとう」
「それ先生にいわなきゃ」
「あ、そうだね」
わたしの心はドキドキしながら、先生にお礼を言った。
先生は軽く手をふって「気にするな」と笑った。
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