第2帖

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その夜、私は家で先生から借りた漫画を読んでいた。 「葵の上かわいそうだな…」 そんなことを思いながら開くのは若紫との出会いのシーン。 「あっ、これって…!」 舞い散る桜、逃げ出すスズメ…。 まさに私が感じた『春』だ。 「あれ、なんだろ、この紙…」 そこには崩した字でケータイの電話番号とアドレスが書いてあった。 「気が向いたらメールして」 さらさらと流れるような字は先生を表しているような気がした。
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