第2帖

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「お前、昨日アイツと会ってただろ?」 長い年月とは恐ろしいものだ。 「う、うん…、でも、そんな私はこれ以上関わんないつもりだし…」 「うそだな。だって香もなんかアイツに渡してたの見えたし。なんか借りてんだろ?」 見えて欲しくないものまでも相手の心に映し出してしまう。 「アヤには関係ないよ」 「関係なくない。アイツ、危険な香りがする」 それは私も思っていた。 人を惹きつける香りだろうか、まるで生まれながらに良い香りがしたという、薫の君のように。 甘く、危険な香り。
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