第3帖

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「あの、失礼します…」 結局来てしまった古書室で周りをキョロキョロ見ながら声をかけるとガチャっと音がした。 「あ、せん…」 「でさ!綾瀬って地味に……」 聞こえてきた声にびっくりしているうちに先生に無言で手を引かれた。 ガチャっという音がして、初めて扉が閉まったことを確認する。 「先生、離して下さい」 私の体はすっぽりと先生の腕の中に収まっている。 「ん?あぁ、ごめん。ドキドキしちゃった?」 満面の笑みでそんなことを言うからため息しかつけない。 「さっきの子たち、綾瀬のこと話してたみたいだけど?気になんないの?」 「あぁ…、悪口じゃないならいいとは思いますけど…」
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