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「そうだったんだ……」
そういいながら保健室の先生に目で合図を送る。
「そうだ、二人とも佐倉さんの荷物持ってきてあげてくれる?」
「そうですね、分かりました。行こう、晴香」
そうして二人が出て行った後、私は保健室の先生をジト目で見る。
「ん?これで合ってるでしょ?」
なんにもないような顔で微笑んでいるこの人はきっとかなりの大物。
「先生が運んで来たって分かってるのに誰かわからないっておかしいです」
「あなたは心当たりがあるんでしょう?きっとその人よ」
そう言って紙切れを見せてくれる。
『熱中症で廊下で倒れている生徒を一人寝かしておきました。よろしくお願いします』
あの流れるような達筆だった。
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