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中3の夏休み前、というなんとも微妙な時期に転入したわたしを、クラスのみんなは優しく迎えてくれて。
友達とどこかに行く楽しみも忘れていたわたしにとって、楽しみで、だけど、緊張する、そんな日だった。
学校の側の市民プールには飛び込み台があって、彼女たちは面白がって次々と飛び込み始めた。
『香は？やんない？』
事情を大まかには話したが、あれ以来高いところが苦手だと言う機会もなかった。
どうしようか、断ったらノリが悪いかな。
『あ、うん、やろうかな』
飛び込み台は、初心者でも大丈夫なほどの高さで、5mくらいであったとはおもう。
それでも、覗き込んだ水面はぼんやりとわたしの顔を映している。
うう、こわい。やめたい。でも。
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