第3帖

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「いやぁ、なんか放っておけなかったんだよね。君の気丈に振る舞う様子とかさ」 一年前のことを思い出して二人で笑う日が来るなんて思ってもなかった。 あの時はまた会えればと思って、しばらくあのプールに通っていたけれど、それからあの人__つまりは花澤センセイ__に会うことなど一度もなかった。 「センセイは、あれからあのプール行きました?」 「あの時は知り合いの家に一泊しただけで、家はあの辺じゃないんだよね。だからあれからは行ってないよ。そんなに遠くはないし、行けば君に会えるんじゃないかとは、思ったけどね」 あ、センセイ、少し悲しそう。 何がそんなにセンセイを悲しませるのかはわからないけれど、わたしも、ちょっぴり悲しくなる。 いやな、思い出なのかな……。
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