第1章

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「お前さぁ~」 「……」 「喋らないな」 「………」 出会った時から、コイツは一切しゃべらなかった。 家に居る時も喋らないらしい。 しかも、母親の葬式の時も喋らなかった。 学校で教師に当てられても喋らず 苛められても 車に轢かれても 変質者に襲われても 殴られても 刺されても 撃たれても コイツは絶対に喋らなかった。 いったい、どうすれば……… 「ねぇ」 「っ?!」 生まれて初めてコイツの声を聞いた。 意外に綺麗な声だ。 「私、ネットでは喋るよ」 「ネット?」 「オンラインゲームの中ならかなり喋るから」 ………だからどうした。
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