犯人逮捕

7/10
前へ
/45ページ
次へ
私はあれから黙って、車を警視庁に走らせた。警視庁に着くと車を止め、鞄を持って降りた。それを見て降りた村雨君に声をかけた。 栞:ごめん、取り敢えず何も聞かずにここにいて 私は村雨君が車の中に戻ったのを確認し、村雨君を待たせたまま、中に入って行った。そのまま総監室に向かった。 栞:コンコン ノックをしてから中に入った。中にはお父さんしかいなかった。 栞:さっき、犯人を逮捕した 総監:そうか 私は一つ深呼吸してから、鞄に入れていた退職届けを出し、父の机の上に置いた。 総監:栞っ、本気なのか? 父は専用の椅子からソファに場所を移し、私も促されたので前のソファに座った。 栞:はい、犯人を捕まえる時、親戚だからと、逮捕を躊躇してしまいました。警察官としては失格です。 少し下を向きながら、悲しそうに拳を握りしめた。 総監:そうかわかった、正式な辞令はまた連絡する 栞:分かりました。 父は何かを考えてる様だ。その言葉に私は立ち上がり、父に頭を下げて総監室を出た。 栞:ごめん、お待たせ 私は再び車に乗り込み、車を発進させた。村雨君は何か考えてる様で、何も言わず窓の外を眺めていた。私も会話することなく、署に戻った
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加