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私はあれから黙って、車を警視庁に走らせた。警視庁に着くと車を止め、鞄を持って降りた。それを見て降りた村雨君に声をかけた。
栞:ごめん、取り敢えず何も聞かずにここにいて
私は村雨君が車の中に戻ったのを確認し、村雨君を待たせたまま、中に入って行った。そのまま総監室に向かった。
栞:コンコン
ノックをしてから中に入った。中にはお父さんしかいなかった。
栞:さっき、犯人を逮捕した
総監:そうか
私は一つ深呼吸してから、鞄に入れていた退職届けを出し、父の机の上に置いた。
総監:栞っ、本気なのか?
父は専用の椅子からソファに場所を移し、私も促されたので前のソファに座った。
栞:はい、犯人を捕まえる時、親戚だからと、逮捕を躊躇してしまいました。警察官としては失格です。
少し下を向きながら、悲しそうに拳を握りしめた。
総監:そうかわかった、正式な辞令はまた連絡する
栞:分かりました。
父は何かを考えてる様だ。その言葉に私は立ち上がり、父に頭を下げて総監室を出た。
栞:ごめん、お待たせ
私は再び車に乗り込み、車を発進させた。村雨君は何か考えてる様で、何も言わず窓の外を眺めていた。私も会話することなく、署に戻った
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