第1章

2/22
1355人が本棚に入れています
本棚に追加
/108ページ
「生徒会長、またあいつらですよ。」  生徒会書記の谷村に促されて外を見ると、学園の雰囲気に全くそぐわない派手な髪色の一団が歩いている。 二年の谷中浩介とその仲間か…… 銀髪、金髪、赤髪、……髪が青色ってなんだ おかしいだろ 苦々しい気分でふざけた色の髪を見下ろしていると、銀髪の男、つまり谷中浩介がこちらを見上げた。 挑むようなまっすぐな視線は俺がどんなに睨みつけても揺らがない。 とうとうこっちがいたたまれなくなって目をそらすと、向こうも目をそらした。 まるで負けたような気分で、胸糞悪い。 なんで俺があんなやつに押し負けなきゃいけないんだ…… 「会長、先生にまた注意してもらいましょうか?」 「どうせ意味がない。」 「ま、まあそうですけど……。」  この学園はよくも悪くも合理的だ。 一つの学年が成績や運動の実績によって三つに分けられ、分けられたクラスによって生徒の扱いも変わる。 例えば俺が所属している特待生クラスは、特に成績が優秀で、なおかつ部活動でも一定以上の成果を出している少数の生徒しかいない。 そしてその少数の生徒のニーズに合わせて、教師たちは熱心に指導したり、あるいは極力干渉しないようにするのだ。 一方、谷中浩介が所属するのは普通クラス。 あそこはそこそこの成績で入学したやつらがいるところで、学力的にはこの近辺の私立高校と比べても平均やや上と言ったところだろうか。 生々しい話をするのであれば、学費収入のためにアホどもを囲ってるというわけだ。 それもあって、教師たちは普通クラスの生徒にあまり関心を持っていない。 犯罪沙汰にならなければなんでもいいといったスタンスで、基本的にはノータッチだ。 それに生徒側も一学に入れたことに満足し、それなりに品行方正にやっていくのが普通だった。 つまるところ、谷中とその仲間たちが異端なだけなのだ。  谷村は机の上の書類を整理しながら切り出す。 「ところで会長、休学している副会長の代理ことなのですが……。」 「ああ、それなら適役を見つけた。」 「本当ですか?誰に声をかけたんです?」 「如月湊。」 「えっ!!あの、『王子様』ですか?」
/108ページ

最初のコメントを投稿しよう!