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春岡ルミさんは、先月うちの高校に転校して来たばかりの女の子。
サラサラの黒いロングヘアをたなびかせ、いつも無口で、クールな瞳を窓側の青空にぼんやりと向けている。
(人見知りが激しいのかな? お弁当もずっと一人で食べてるみたいだし)
数学の連立方程式の解をノートに写しながら、僕は斜め前に座っている春岡さんに視線をやった。
……やっぱ、可愛い。どこか他の女子たちとは違う、憂いを秘めた影のある美しさを持った女の子。それが春岡ルミさんだ。
(こういう子のこと、何て言ったっけ?
ああ、そうだ。『クール・ビューティー』だ)
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