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「幸山君、キミ死相が出てるよ」
「え?」
ガラガラサーッと、後ろの席の誰かが窓を前に勢いよくスライドさせた音が聴こえた。
授業が始まる前に、僕のクラスでは冷暖房が逃げない様に、換気を済ませておく習慣がある。誰かが気をきかせて閉めてくれたんだろう。
そこまでぼんやりと考えながら、僕の視線の先には春岡さんでも教室内の光景でもなく、雲一つない青空がパノラマみたいに映し出され、それが物凄く美しかった。
ブルースカイは一瞬にして真っ赤に染まり、次に真っ暗闇が僕の視界を遮った。
◆
「ギャーッ!! く、首が首が首があああああっ!!」
「ゲ、ゲエエエエエエエエエエエッ!!」
もちろん僕は、間の抜けたポーズのまま窓枠に腰掛けてる自分の体が、チョコレートフォンデュの噴水みたいに染まっているところは見ていない。
春岡さん、もっと早く話してよ~
《色んな意味でお・し・ま・い!》
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