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ザァーザァー振りの叩き付ける雨を眺めながら、よし行くぞと気合を入れる。
「アンズ、悪いな。今すぐカリカリ買ってくるからな」と謝罪を込めてアンズの頭を撫でる。
玄関扉のノブに手をかけて扉を押すと雨が吹き込んできた。
まったく小雨になってくれないものか。
空を睨み一歩踏み出したときだった。
「気をつけてな」
との声が背後から聞こえて思わず反射的に「ああ」と返事する。
えっ!? 俺は足を止めた。
身体が強張り背筋に悪寒が走る。
今の言葉は誰が……。
頭に浮かぶのはアンズの姿。
踵を返してアンズに向き直り「まさかおまえが!?」と呟いた。
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