第1章

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「という冗談は止めるとしてーー」 うん、やっぱり冗談だったか。 「ーーお兄ちゃんが良いと思う服装で良いんじゃない?」 「オレが良いと思う服装?」 今のオレにはカジュアル系の服装しかない。だからインパクトが足りないような気がする。 たまにあるデートだ。こういう時に限ってはもっと服装を選ぶべきである。例えそれがパンクな恰好であってもだ。 「でもお兄ちゃんは地味だからなあ……」 「黙れ」 「私のを貸してあげようか?」 「なんでオレが女のファッションをしなといけないんだよ!」 「でも、女物は結構お洒落だよ?」 「そうなのか?」 そう言えば真冬は結構良い服装をしているよな?ならその服を借りるのも手か?いや、女服を着るのは度胸がいるからやっぱり止めておこう。でも一応話は聞いておくとしよう。 「そうだよ。身体のラインが見えて筋肉が分かるものとかもあるし、脚が長く見えるものとかもあるし」 ほう、それは興味深い。 女物だが馬鹿には出来ないというわけか。
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