41人が本棚に入れています
本棚に追加
「という冗談は止めるとしてーー」
うん、やっぱり冗談だったか。
「ーーお兄ちゃんが良いと思う服装で良いんじゃない?」
「オレが良いと思う服装?」
今のオレにはカジュアル系の服装しかない。だからインパクトが足りないような気がする。
たまにあるデートだ。こういう時に限ってはもっと服装を選ぶべきである。例えそれがパンクな恰好であってもだ。
「でもお兄ちゃんは地味だからなあ……」
「黙れ」
「私のを貸してあげようか?」
「なんでオレが女のファッションをしなといけないんだよ!」
「でも、女物は結構お洒落だよ?」
「そうなのか?」
そう言えば真冬は結構良い服装をしているよな?ならその服を借りるのも手か?いや、女服を着るのは度胸がいるからやっぱり止めておこう。でも一応話は聞いておくとしよう。
「そうだよ。身体のラインが見えて筋肉が分かるものとかもあるし、脚が長く見えるものとかもあるし」
ほう、それは興味深い。
女物だが馬鹿には出来ないというわけか。
最初のコメントを投稿しよう!