第1章

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「お兄ちゃんに合う服装もあると思うんだけどなあ」 そこまで言われたら着ないわけにはいかない。ここは真冬に従うとしよう。 「じゃあもし良いのがあったら貸してくれ」 「うん!」 ~~~~ 「こういうのはどうかな?」 真冬はダボダボしたアウターをオレに見せた。そのアウターは黄色で、骸骨の大きいプリントが胸元にあり、インパクトが強い。これはさすがに着たくない。 「却下」 「結構良いと思うんだけどなあ」 「オレにとっては良くない」 「ですよねー」 「分かってるなら薦めるな!」 「てへっ!」 今度こそコイツを殴ってやる。 右手の拳を握ってそれを真冬に見せる。 「お兄ちゃん、女の子に手を上げるのは最低だよ?」 それは分かっているでもどうしても殴りたい。 でもオレはあくまで男の子。やっぱり手を上げるわけにはいかない。それが残念すぎてつい舌打ちをしてしまう。
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