第1章

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「もうどうでも良いから早くオレに合うのを選んでくれ」 「オッケー!じゃあこれね!」 そう言って真冬が見せたのは真っ白の長シャツのもので、スカーフのようなものが腰辺りに巻かれたものだった。 このスカーフはシャツとは別に着ているのかと思ったがどうやら洋服にくっ付いているらしい。 それが何とも可愛らしい。それでいて格好良いような気がする。 「よし、これに決めた」 「えっ?冗談で出した物だけどこんなので良いの?」 どうやらふざけて出したものだったらしい。でもーー 「ーーああ、これがベストだ」 逆にこれ以外のものを出されたら迷うかもしれないからこれが一番ベストだ。 「そっか、お兄ちゃんがそれで良いならそれで良いけど」 よし、決まりだ。これを着てデートに行こう。 「じゃあ決まりだな」 「行ってらっしゃい!」 「ああ!」 でもこれが女物だったら歩はどう思うだろうか? いや、考えないでおこう。
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