第1章

15/50
前へ
/50ページ
次へ
「もう、春秋君ったら」 オレの不甲斐なさに呆れたようにため息を吐く歩。それを見て若干の罪悪感を覚える。 オレの精神が持ちそうにないのでここは話を変えるとしよう。 「それより今日はどこに行くんだ?」 「ふっふーん、今日は小旅行をしましょう」 「小旅行?」 「温泉に行きましょう」 温泉?何で? 「理由は?」 「寒いからよ」 なるほど、確かに今の時期は冬でかなり寒い。夜は10度以下になるぐらいだ。 なら行くしかない。 「因みに日帰りか?」 「もちろんよ」 ですよねー。 歩はオレの家族にはあまり迷惑をかけないようにしている。それは歩が居候だからだ。居候のくせにオレの家族に迷惑をかけるわけにはいかない。 歩はそう思っているのだろう。 オレが歩だったら同じ事を考えるだろうからそうに違いない。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加