第1章

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~~~~ 門をくぐる春秋と歩を遠くから見ている女性が二人いた。 「どうしたの遥?」 おさげで丸眼鏡の女性が銀髪ボブの女性に首を傾げながら訊ねる。 「ちょっと昔の知人に似ている人がいたわ」 「へぇー、どんな人?」 「心優しい年下よ」 「年下……遥ってショタコン?」 おさげ女性はドン引きするように一歩退いた。 「今あの子見たでしょ!ショタじゃないわよ!」 「でも可愛かったわよ?」 ーーあんたの感性は一体どうなっているのよ! そう言おうとしたが遥は口を噤んだ。 「そうね」 ーーよく考えたら性格は可愛かったかもしれないわね。 「じゃあ行きましょう」 遥は昔の事を思い出したかのようにフッと笑うと歩を進めた。
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