第1章

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これはとある朝の事だ。 オレは有意義な生活をしていた。そして今日は休日である。 せっかくの休日なんだ、思いっきり休日を満喫するとしよう。で、そのとおりオレは昼までの睡眠で心地よい一日を過ごす事に決めた。 ところで耳がこそばゆい。これは何故だろうか? 耳に虫が入った……ではないよな? 作者は耳に蟻が入って地獄を味わったらしいが苦痛は感じないから蟻ではないと思う。ならこの原因はなんなのだろうか? 『………君』 誰かの声が聞こえる。この声は確か……… 目を開ける。 「っ!」 歩がオレに跨り、顔を近付けていた。 歩の唇まで約5センチメートル。なかなか近い、あまりの近さに思わずキスしたい欲求に襲われる。だがするわけにはいかない。 夢がぶち壊れるが寝起きの人間の口内は便器より汚いと聞くからキスなんてしない方が良い。 「おはよう、春秋君!」 歩は明るい笑顔を浮かべた。その顔があまりにも眩しくてオレは目を細める。 「ああ、おはよう」 「元気ないわね」 「寝起きで元気なヤツはなかなかいないと思うぞ」 「それもそうね」
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