第1章

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「今日は止めておこう」 「何で?」 歩は再び首を傾げる。 そんな歩にオレは仕方ないだろ、と言うかのように答える。 「毎日会ってるから毎日デートしているようなものだろ?それならデートする必要はないだろうが」 そう、いつも会っているならデートする必要は皆無だ。したいと言えばただリビングでコーヒーでも飲んでいれば良い。 「春秋君は女の子の気持ちを全く理解していないわね」 「はあ?」 オレが女の子の気持ちを理解していないだって? オレは真冬と兄妹だから女の子の気持ちは十分分かっているはずだ。なのに理解していないだって?冗談だろ。 「女の子というのは春秋君が思っているより繊細なのよ。もっと言葉を選びなさい」 ならなんて言えば良いんだよ。 あれか? 『今日は良い天気ですね、Hしませんか?』 とでも言えば満足するのか? いや、そんなはずはないよな。
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