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「言い方が悪かったかもしれないな。歩がデートするのは風上春秋だ」
「えっ?お兄ちゃん?」
真冬はびっくりするように目を見開いた。
「なんだその意外そうな顔は」
それを聞いて真冬はえへへー、と言うかのようにへらへらと笑う。どうやら本当にオレだとは思っていないようだ。
「妹よ、オレと歩の関係は何だ?」
「夫婦」
思考が突飛しているっ!
「違う、恋人同士だ」
「てへっ!」
真冬はウインクし、舌を出しながら頭を小突いた。
今のコイツ程殴りたいと思う相手はいない。デコピンしてやろうか?いや、したらウザくなりそうだからやっぱり止めておこう。それに朝からコイツのテンションに付き合える自信がないから尚更だ。
「お兄ちゃんはまだ行かないの?」
純粋に訊ねる真冬。確かにそう聞いても仕方ないが、まだ朝の9時だから別に今すぐ出ないといけないというわけではない。
「ああ、その前に朝食を食べたい」
「お兄ちゃん酷い!お兄ちゃんがこんな冷たい人だったなんて思わなかったよ!」
「もうお前黙れ」
「お兄ちゃん酷い!お兄ちゃんがこんな冷たい人だったなんて思わなかったよ!」
「マジで黙れっ!」
「お兄ちゃん酷い!お兄ちゃんがこんな冷たい人だったなんて思わなかったよ!」
「………」
やっぱり殴ろうかな?
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