第1章

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私は奴の悔しそうな顔をみたいんだ!! 関わりたくないと言いつつ仕返ししようとする私は 学習能力がないな、と自分でも思う。 期待に胸を膨らまし教室の扉を開けた。 しかし、そこには数人の学生だけたしか居なかった。 状況が理解出来ない私に友達が近寄ってきた。 「ちょっと聞いて!?入れ替えで次心理学だって。友達から今電話来たんだけど、掲示板の端にちっこく貼ってあるって」 パニクりながら必死に説明する。 ああ…やられた。 もう、この絶望感は慣れだよね。 今回はマジな情報だった。 これだけ嫌がらせをされていれば、免疫がつくだろうとお思いだろうが、奴の嫌がらせはとても巧妙で今回のようにマジな情報を織り込んでくる。 無駄にずる賢い。 今から行っても出席確認間に合わない…。 本当に自分が情けない…。 「どうせ間に合わないしサボりでいっかぁ♪」 呑気にサボり宣言する友達、決して成績がいいとは言えない子。私と同じ、類は友を呼ぶってこのことか。 腹立てる気力も失せた。 なぜ意地悪ばかりするのか、昔は何度も考えた。 「もしかして」と思う節は何度かあったが、奴に限ってそれはありえない、と心に蓋をした。 もう、いちいち考えるのが面倒。 奴はただ、私の不幸にするのが生き甲斐なだけと自分に言い聞かせてきた。
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