第1章

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私は本当に頑張った。 先輩と勉強していたとき、奴は邪魔をしにきたがそんなのは想定内。もう同じ失敗はくりかえさない! 私の必死のアピールの成果かはわからないが、先輩は私のことを好きなのでは?と思うことも多々あった。 これは行ける!と手応えを感じたため私は先輩の空き時間を狙っていつも居るカフェテリアへ向かった。 時間的に学生はそれほど多くはないため、先輩を見つけることは簡単だった。 居た!行け!私! 「先輩付き合ってください!!」 先輩に近づくなり、勢いに任せた私の声は不自然に大声になってしまった。 学生が少ないせいもあり、その声はカフェテリアによく響いた。 周りの学生の注目の的だ。 やらかした!! と思った時には既に遅い。 先輩越しに奴を見つけてしまったからだ。 行動パターンが同じならこの時間にカフェテリアに居合わせてもおかしくはない。 大声でカフェテリアで公開告白したなんて、後で弄られるに決まっている。 現に、奴の顔は悪魔の笑みを浮かべてるではないか。 そして、目の前に居る先輩は状況を理解出来ず沈黙が続いた。 実際はそれほど長い時間ではなかったが物凄く長く感じた沈黙は 「ごめん、彼女いるんだ」 と言う先輩の一言で終った。 彼女いるなら、思わせ振りな態度とるなよ! と言いたいところだが、これ以上醜態を曝すまいと言葉を飲み込んだ。 先輩は申し訳なさそうに「ごめんね」と言いながら、逃げるように立ち去って行った。 先輩と入れ替えに過去最高に楽しそうに近寄って来る奴を見て、過去最高に苛立った。 「バカじゃねーの?告る前にフリーか確かめろよ」 奴は絶対先輩の彼女がいたことは知っていたに違いない。そして、私が振られることもわかってたはずだ。 奴はとどめに私の耳許でつぶやいた。 『お前は俺の一生をかけて不幸にしてやるよ』 音符マーク付で言われた一言で私の中の何かが込み上げてきて、気がついたら涙が流れていた。 公衆の面前でこれだけ騒げば、流石にカフェテリアもざわつき出した為、奴は珍しく慌てて無理矢理私をカフェテリアから引きずり出した。 「俺が虐めてるみたいじゃん!?」 などととぼけたこと言い出したので、私の今までの怒りが爆発した。
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