第4章

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呟きと共にしなやかな指先が…手が…僕の髪をクシャリと撫でた。 あの頃と同じ…違う…あの頃の手だ… あの人のほんの少しだけ…緩んだ口元がまるで微笑んでいるようで… それだけで、僕の心は跳ね上がった。 「よく頑張ったな…。きっと…綺麗な音がする。」 そう言って愛おしそうに繊細な手つきで 部品を僕に返した。 僕は、曽根さんの瞳を見つめながら… 「ありがとうございます…。 これから組み立てて、この箱の中に入れようと思うので、3日後…祖父に聞かせてあげたい…。」 曽根さんは、小さく頷き… 良いんじゃないか…と呟いた。 曽根さんは、散歩に行くと僕に声をかけ…扉を開けようとしたところで 僕にその腕を掴まれた。 「お願いです…3日後…僕と祖父に会ってください。」 曽根さんの目を見て、ゆっくりと伝えれば…戸惑ったように瞳がおよいだ。 掴んだ腕が微かに震えている…。 「…怖いですか…祖父に会うのは…。」 「あっ…。」 僕がその頬に手を添えると…ビクッと跳ねる。 僕はその身体を抱き込んで… 「会ってください…最後に…。」 大丈夫ですと…唇に触れる。 もう…祖父は、僕も貴方も解らないから。
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