第5章

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死ぬはずだった日に見つけたオルゴールを、ゼンマイを回しては シリンダーが回転するのを見つめていた。 綺麗な音を奏でているであろうオルゴールをただ見つめる。 そうやって3日を過ごした俺は…再び恵先生の元に行った。 恵先生は…難しい顔をして、俺の話を聞いてくれた。 「つまり…哲人くんのオルゴールの曲が何か知りたいわけね。」 「はい…。」 「お断りします。これは哲人くんが曽根さんに残した手紙よ。」 人の手紙を読むなんて無粋はしたくないとキッパリと拒否した。 愛里ちゃんにも断られて… 俺には…もう選択肢が残されてなかった。 恵先生と愛里ちゃんが嬉しそうに笑っている。 「病院と先生を教えてください…。」 哲人のメッセージはきちんと聞かないといけないと思った。 奇跡に縋ってみようと思った。 そのためには…なんでもする。 哲人は俺が隠して捨てた、トロメライ(幸せの曲)を探し出した。 俺も哲人が残したものから、哲人を探し出す。 やっと気付いた…贖罪のために哲人が必要だったんじゃない…。 哲人こそが俺のトロメライ(幸せだった)。 だから…俺は…探しに行くよ。 俺だけの…トロメライを…。 END
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