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「どうして…。」
呻く様につぶやく僕にあの人はじっと僕をみつめて短く答えた。
「ない。そんな曲はない。」
そうして…僕に背を向き吐き捨てる様に呟いた。
「俺はピアノを捨てた。」
コツコツとあの人の足音だけが耳に残り…僕は…何一つ得ることができないまま…
扉は閉ざされた。
これで…終わり…?
僕には…
もう、何もないのに…。
そう思ったら…
閉ざされた扉を狂ったように叩き続けた。
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