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「嫌だよ。預言されたら絶対当たるんでしょ? 何か不幸な事とか言われそうだもん」
激しく遠慮する令を見た件が笑う。
「あらあら。坊やってば可愛いったら。わたしは取って喰ったりしないわよぅ」
「ていうか、どうでも良いから話を進めよう」
グレーの上下に白のワイシャツと、黒のネクタイをきちんと絞めていた令だったが、いよいよ以て呆れ出したのか、緩めながら投げ遣りな態度でいる。
「……お前、仕事やる気あるのか?」
「うん。少なくともこういうエキセントリックな光景を前に、一っつも動じない明よりはね?」
にこやかではあるが一触即発の空気に、件も口を挟みにくいのかおろおろするばかりだ。
「あ、あのぅ」
そんな二人の間に、遠慮勝ちに割って入ったのは、飼育員のお兄さんであった。
同時にそちらを向くと、飼育員のお兄さんがびくりと首をすくめてしまう。
「つ、通報したのは僕なんです。件ちゃんが、あの……アマビエに命を狙われているんです……!」
何かまた知らない名前が出てきた。
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