尾崎くん

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休み時間になると、尾崎くんの席に向かった。 『ねえねえ、尾崎くんの予報当たったね。どうして雨が降るって分かったの?』 『・・・・・・』 しかし、尾崎くんは何も答えてくれなかった。 『授業中何か言ってたみたいだけど何だったの?だだの独り言?』 別に気にすることないが何となく聞いてみた。 『・・・・・・火。』 『ひ?ひってなに?火?日?えっ?どういうこと?』 すると、授業のチャイムがなる頃だったが、ジリリリリリと、聞いたことない音が校内中に響いた。 『火事だ。』 廊下から誰が叫んだのか分からないが、雑踏の如く声がするほうへ全員が向かった。 火元は理科室だった。何やら実験に使っていた薬品がアルコールランプに引火したのだが、小さなボヤですんだ。 大したこと無かったので、僕は歩いて教室に戻ると尾崎くんは一人座っていた。
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