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そのノートを見て僕は血の気が退いた。
尾崎くんが喋ると喋ったことが現実になる。
ということは、雨も火事も尾崎くんの言葉から生まれたものだった。
『じゃあ、尾崎くん。君は何者なんだい?予知能力とかもってるの?』
すると、尾崎くんは首を横に振って、先程のノートをまたこちらに見せた。
『言葉が現実になる?言った事が現実になるってこと?予知じゃなくて?』
すると、尾崎くんが首を縦に振った。
『じゃ、じゃあ尾崎くんの力でこの状態を元に戻してよ。』
僕は半信半疑ながらも恐る恐る尾崎くんにお願いした。
暫く尾崎くんは僕を見つめたまま何も言わなかった。
しかし、暫くすると尾崎くんはそっと口を開いた。
『その役目は君に譲るよ。』
その言葉の意味は分からなかった。
しかし、尾崎くんはニッコリ笑っていた。
『いや、意味分かんないから!全部無かった事にしてって言ってんの!』
尾崎くんに対する恐怖心から、僕は大きな声を出してしまった・・・
すると、辺り一面真っ白になり、僕自身も何もかも・・・
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