崩壊

16/34
前へ
/271ページ
次へ
……学校の教室。 私と南部君と向井さんの三人で話をしている。 なぜか中学校の制服を着ている向井さんが、困った様子で。 「どうする潤。このままじゃあ菜々が本当に死んでしまうぞ」 あれ?私の話? 何か経験があるな、こういう夢は。 授業中に居眠りしてると、先生の言葉が、夢の中で話している先生と同調してる感じ。 「死なせませんよ。山中さんを助ける為におまじないをしたのに、その代償で死ぬなんて、あんまりじゃないですか」 南部君も向井さんも、その感じに似てる。 これってやっぱり、眠っていても周囲の声は聞いてるって事なんだろうな。 だからこんな夢を見るんだ。 「俺はちょっと考えてたんだけどな……どうも分からない事があるんだ」 向井さんも中学生みたいで、何か変な感じ。 学ランが似合っているとはとても言えないかな。 「分からない事?俺にしてみれば、何もかも分かりませんけど」 二人だけで話して……私もいるんだから、話に混ぜてよ。 「潤は、弘志の言葉をどう取った?彩乃ちゃんの大切な物も気になる」 腕組をして、椅子にもたれ掛かる。 そんな向井さんに、南部君は首を傾げていた。 もう答えは出てると言わんばかりに。
/271ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2444人が本棚に入れています
本棚に追加