2444人が本棚に入れています
本棚に追加
家を出て、歩いた記憶のない道を学校に向かって歩いた。
二人に連れて来られたから、覚えてなかったんだな。
「なるほどな……そのプリティベイベーを好きだった馬場が、木村さんを呪い殺したってわけか」
「え?いや、多分馬場君は幸村さんの呪いに巻き込まれて……大切な物を失うって、そこから来たと思うんですけど」
私の話し方がまずかったのかな。
向井さんには上手く伝わっていないみたいだ。
「俺は違うと思うな。だってさ、幸村さんは木村さんを恨むような事を言ってなかったわけでしょ?それなのに、幸村さんの呪いだなんて」
そう言われると……木村さんが死んだ所を、私は見たわけじゃないから分からないけれど。
それに、向井さんの疑問は私も感じていた事。
お父さんの話を鵜呑みにしていたから、そこは考えないようにしていた。
「向井さんはどう考えますか?馬場君の呪いだっていうからには、何か考えがあるんじゃないですか?」
「ふーむ……」
私が尋ねると、空を見上げて小さく呟いた。
色々と考えがあるんだろうけど、上手くまとまらない様子で。
一つ一つ、矛盾がないように言葉を繋げるように、向井さんが話し始めた。
私にも分かるように、簡単な言葉を選んで。
最初のコメントを投稿しよう!