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一歩一歩、国道へと歩を進めるたび、言い様のない不安が私に襲い掛かって来る。
南部君が私を助ける為に、呪いの儀式を終わらせてくれた。
それは分かっているんだけど……恐怖はそう簡単には拭えない。
元々目に見えない力に縛られていたんだから、それが本当になくなったのかという不安があるから。
「無理しなくても良いんだよ?怖いと思っても仕方ないし、ダメなら引き返したって良い」
怯えている私に気付いたのか、頭を撫でて優しい言葉を掛けてくれる。
怖くない……なんて強がりはとても言えない。
大丈夫大丈夫と何度も自分に言い聞かせて、足を前に出した。
国道が近くなる。
「向井さん、もしも……もしもまだ私が幽霊に狙われていると分かったら、すぐに離れてくださいね。巻き添えをくらうかもしれませんから」
外の気温は低く、震える程だと言うのに、額に汗が滲む。
解放されたのかどうか分からない、死の呪いが今もまだ私を苦しめているのだ。
「菜々と一緒なら、死ぬのも悪くないかもしれないな。安心しな、子猫ちゃん。俺は何があっても離れる事はないよ」
そう言ってもらえるのは嬉しいんだけど、本当にそうなってしまったら、死んだ後で向井さんにどうお詫びをしたら良いか。
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