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「学校に向かってるって、まさか私に一緒に来てくれって言うつもりだったんじゃないでしょうね?」
でも、残念でした。
私はもうお風呂にも入っちゃったし、パジャマを着てるから、今日は外に出るつもりはないよ。
『そのつもりだったんだけどね。今からじゃ間に合わないから、仕方ないね』
間に合わない?
彩乃は何を言ってるの?
そこまで考えて、私は思い出したように壁の時計に目を向けた。
19時11分。
「ちょっと彩乃、もしかして、アレをやろうとしてるんじゃないでしょうね?今、どこにいるの?」
『もう学校に入るよ。次のお願いは、頭が良くなりますようにって言うつもりだから、今度の期末テスト見ててよね』
そんな事で本当に頭が良くなるはずないでしょ。
噂話を真に受けるなんて、どうかしてるよ。
「はいはい、分かったよ。頭が良くなったら教えて」
そう言って通話を終了しようとしたら、すでに彩乃が切っていたみたいで、プー、プー、という音が携帯電話から聞こえる。
全く、努力もしないでそんな迷信に頼るなんてさ。
神頼みの方がまだ信憑性あるっての。
今頃彩乃は、職員室で先生に話をしている頃か。
時計を見て、秒針の動きをジッと見詰めていた。
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