たーくん

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 一ヶ月前。夫に息子を頼みお風呂に入った。夫がいれば、息子に酷い言葉は教えないだろう。そう安心していた。 「――本当に酷いでちゅね。たーくんのママは泥棒猫さんでちゅよ」  ・・・泥棒猫?夫がいてもそんな言葉を?だいたい、泥棒猫って・・・!?  私はリビングに行く事なく姑と夫が私の事で普段どんな会話をしているのかと耳を澄ませた。 「バァバからたーくんのパパを奪ったの。あんなに大事に育てたのに許せないわ。子供まで作るなんて・・・あんな女、さっさと死ねば良い。ねぇ、たーくん。ママが死んだらバァバがパパと二人でたーくん育てるわね」  ・・・し、信じられない!  夫は?夫はこんな話をどう思っているの?
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