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「巧真(たくま)、おはよう」
「おはよう、鈴木君」
「おまえもそろそろ慣れろよ
もう俺達は友達なんだから勝馬(かずま)でいいって」
僕は廊下で会った高校に入ってからの友達、鈴木勝馬に挨拶をした。
今まで、友達と言える相手の居なかった僕は未だに下の名前で呼ぶことに慣れないでいた。
「今日は、朝の追試無かったのか?」
「あったに決まってるだろ~(T_T)」
「す、勝馬君も少しは勉強してみたらどうだい?」
「俺は巧真みたいに勉強は得意じゃないんだよ」
勝馬は、自分の髪を弄りながら苦笑した。
僕もつられて苦笑した。
そして、2人は教室まで歩いて行った。
「それにしてもおまえも可哀想だよな」
「え?何のことだよ」
「ほら、おまえの隣の席のあいつだよ」
2人が教室の前まで来ると勝馬が嫌そうな顔で教室の中を見ながら巧真に話しかけてきた。
「結李(ゆり)さんのことか?」
「ああ、そうだよ。
あいつって何考えてるかよく分からないしいつも無口だろ
気味悪くないのか?」
「特にそういうこと考えたこと無かったな」
2人は教室の中を見ながら話していた。
巧真の隣の席で長い髪を垂れ流しながら本を読んでいる黒花 結李(くろばな ゆり)の方を見ていた。
すると、同じクラスの彩冬 千幸(さいとう ちゆき)と他に数人の女の子が結李の元へと行った。
巧真は嫌な予感がするもののもうすぐショートホームルームの時間になる為、自分の席へと向かった。
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