第四章

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 こと、石に関する姉さんの温度……とでもいうか。  弁をふるっているのだから、この場合は熱か?  いつも目の当たりにしているぼくでなくとも、じゅうぶん相手には伝わるものである。 「マラカイトの毒性やら……思ったこともなかった」  静かに彼女の声に耳を傾けていた今日子さんが、ぽつりとつぶやく。  そして。  姉さんの手から欠けたマラカイトを受け取って、両手で包み込んだ。 「孝雄は、悪くなか」  今日子さんは目を閉じて、ひとこと、そう言った。
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